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バイク仲間であり尊敬する先輩


これは良くして頂いている方が趣味で書いている話・・
とてもいい作品だったのでよかったら読んで貰えたらと思います





吸血コウモリ みるく の物語


「やーい!!みるくが、また泣き出したー・・」

「お前なんか、この街から出てお行き!!・・」

「恥知らずの・・みるくだよ・・おー嫌だ嫌だ・・」

「お前の母さんに、申し訳ないと思わないのか・・・この娘は・・」

「だめよ!!みるくと仲良くしちゃ・・・!!」

「立派な一族のお家柄なのにねー・・・ヒソヒソ・・・」

今日もまた、みるくの行く先々で・・・ヒソヒソ・・・と聞こえてきます・・・。

「マミー・・・ただいま・・・」ポツッと・・・みるくは玄関の扉を開けて城の中へと入っていきました・・。

「みるく様・・お嬢様・・・今日も・・おやつれになられて・・」執事のトムソン爺さんが、みるくに近寄っていきました。

「・・・・」みるくは、無言で・・・二階の部屋に入っていきました・・・。

「どうしたものかの・・・婆さんや・・・」少し後ろにトムソン爺さんの奥さんが立っていました。

「今日は食事を取ってくれれば良いのだがの・・・」トムソン爺さんがつぶやきます。

みるくは、今日も自分のベッドにもたれて泣いていました。

「マミー・・・」みるくは・・・涙がとまりません・・・。


「トントン・・・」窓ガラスをたたく音がします・・・

「誰なの・・・?」泣いていた、みるくは窓ガラスを見つめて問いかけました・・・。

「空けておくれでないかい・・・」低い声の返事が返ってきました。

「誰なの・・・?」みるくは、涙を拭いながら窓に近づきました・・・。

「みるく・・・や、久しぶりだね・・・」見たこともない  おばあさんがプカプカ宙に浮かんでいました。

「私を・・・知っているの・・・?」みるくは、もう泣いていません・・・。

「おやおや・・・この子は・・・」窓から中に入ってきました。

「・・・」みるくは、おばあさんを見つめています・・・。

「あたしはね・・・おまえの母さんの古い友達だったのだよ。」おばあさんは、みるくの部屋を見渡しながら・・・みるくに、こう言ったのでした。

「マミーの・・・?」みるくは聞き返しました。

「そうだと言ったろ・・・」「鈍い子だね・・・。」おばあさんは部屋をぐるぐる見渡しています。

「おばあさんも・・・あたしを・・・いじめるの・・・?」また涙があふれてきました。

「馬鹿お言いでないよ・・・!!」ムッとしたおばあさんが、みるくに向き合います。

「・・・・」みるくは、涙が止まりません。

「いいかい・・・よくお聞き・・・まもなくこの世界の終りがやってくるからね・・・いじめられてもいじめられても強く生きていくんだよ・・・そうそう・・・
今まで通り他の者達と同じような食事をとってはいけないよ・・・いいね・・・しっかりおしよ・・・あんたの母さんは・・・強かったよ・・・
まったくこの子ときたら・・・」

おばあさんは、そう言うと、元来た窓へ歩いていくのでした。

「それからね、あんたが本気であたしの言うことを信じることができたのなら・・・また会いにくるよ.」

そう言って、みるくの机にあった、みるくの母親の写真に手を振って・・・窓の外へと消えていきました。

「・・・」みるくは、涙が止まりません。

「・・・」何も考えることのできないまま、みるくは  いつしか眠ってしまいました。


みるく、の世界では・・・

動物達に、噛み付いて血液を「食事」とする種族・・・ギラン族。
植物達から、蜜を分けていただき「食事」とする種族・・・オーラル族。

が、この世界を制覇しておりました・・・しかし、みるくの曾お爺様の時代に後者の種族を滅ぼしたのです。

しかし、独りだけ後者の血を引く子孫がいたのです・・・それがみるくの母親でした。

みるくの母親は、みるくを育てるときに、人目につくときには動物達の血液をあげる振りをしながら、実は植物達の蜜をこっそりあげながら、育てていたのでした。

もちろん母親も、動物達に噛み付く振りをしながら植物達の蜜を「食事」としていたのです。

ところが・・・ある夜の出来事でした・・・。

みるくの父親に、植物達の蜜を「食事」としているのが見つかってしまったから・・・さぁ大変!!

みるくの母親ジーラは、みるくの父親ギランに、噛み付かれてしまいました・・・。

もう・・みるくの母親は、動物達の血液を「食事」とするしか生きていけません・・・。

嘆き苦しんだ母親ジーラは、父親ギランが眠っている隙を見て・・・地下にある別室の・・・血族しか知らない部屋に自ら二人で幽閉されたのです・・・
この部屋には・・・昔々ギランの先祖が、ジーラの先祖達を葬り去るために作られた部屋でした・・・
一度中に入ると外からしか扉を開けることができない仕組みになっていました・・・部屋にあるものは何も見えない・・・
真っ暗な世界でした・・・天寿を迎えても、中からは扉が開かないので・・・。

目が覚めて、怒り狂ったギラン・・・。

しかし、何も見えない闇の世界・・・どうしてそこにいるのかも分かりません・・・もちろんジーラがどこに居るのかさえわかりません・・・
大声を出し・・・半狂乱になっていくしかありません。

母親ジーラもまた、そっと涙を流し、毎日毎日「みるく頑張って生きてね・・・お母さんの分も・・・生きてね・・・」
そう願いながら、ギランに見つからないように天寿を迎える覚悟で居ました。

外の世界ではギランとジーラが居なくなったことを不振に思う者は誰もいません・・・何故なら・・・みるくの父親がこの国を支配し動かしていたからです・・・
しかし、みるくが一人のおともだちに話をしたことがきっかけで全世界に知れてしまったのです。

「お願いだから誰にも言わないでね・・・」みるくは信じていた友達のオルトに、相談したかったのです。

「大丈夫・・・言わないよ・・・・どうしたの・・・みるく・・・」確かにオルトは・・・こう言ったのですが・・・。

もう既に全世界は噂の日々でした・・・。

「旅行かしら?」
「誘拐よきっと・・・」
「きまぐれでしょう・・・」
「私達をかくれて偵察しているらしいわよ・・・反ギラン族や、裏切り者を探しているのですってよ・・・」
「亡くなったらしいわよ・・・」
「新しいお城を建てるらしいわよ・・・」

様々な噂の中・・・みるくが「食事」をしていないことに、疑問が生まれて・・・

今は、みるくが噂の真っ只中でした・・・。

「あの子は実はギラン族ではないそうよ・・・」
「みるくは、食事をしないそうだよ・・・薄気味悪いね・・・」
「もしかしたら・・・あのこは・・・オーラル族の生き残りだってさ・・・おー・・・気持ち悪い・・・」
「あのこをなんとかしなくちゃね・・・」
「ギラン様は・・・どうなされたのかね・・・」

みるくの、心を打ち明けたことが災いして・・・。

オルトが、みるくの心を・・・裏切ってしまったことが災いして・・・。

今日も、みるくは泣いているばかり・・・。

「マミー・・・・帰ってきて・・・・マミー・・・」

今日も、いつもと変わらない・・・嘆きの日々でした・・・。

「バーン・・・」

突然窓が開き、みるくが驚いて窓を見つめたその時・・・。

一輪の・・・お花・・・?・・・が窓辺でゆらゆらと・・・。

みるくは、この花を見て・・・手に取り・・・匂いを・・・嗅いでみたのです・・・。

「マミー!!マミー!?・・・」みるくはこの匂いに覚えがあります!

「マミーの匂い!!マミー居るの?どこに居るの!!・・・マミー!!」みるくは、辺りを探します・・・。

「マミー!マミー!!マミー!!!」みるくは、母を捜します。

「マミーどこ?マミーお願い隠れないで・・・。マミー!!マミー!!・・・」涙が止まりません。

「マミー・・・・お願い・・・マミー・・・隠れないで・・・マミー・・・・。」みるくは、この花を両手に抱きしめ涙をこらえきれません・・・。

「マミー・・・会いたいよ・・・・マミー・・・・苦しいの・・・・マミー・・・・お願い・・・助けてよー・・・マミー・・・
隠れないでよ・・・マミー・・・お願い・・・・」泣きじゃくる・・・みるく・・・。

「どうしてよー・・・マミー・・・・マミー・・・」・・・そのときでした!!

一輪の花が・・・みるくに話しかけたのです!!

「僕の蜜を・・・舐めてごらん・・・みるく・・・」・・・先ほどまで泣いていた、みるく・・・。

薄紫色のお花を、床に落としてしまいました・・・。

「誰?今の声は・・・誰か居るのですか?」みるくは、驚いています!!

「みるく・・・や・・・」お花がみるくに・・・話しかけています!!

「あなたは?・・・・誰なの?・・・」みるくは声の持ち主が、目の前のお花と知って更に驚きを隠せません。

「私の故郷は、お前の母なのじゃ・・・よいから私の蜜を舐めなさい・・・全てが解るから・・・」そういって、みるくに言い聞かせるのでした。

いつもの、みるくなら決して知らないものに関心を寄せないのですが・・・母の香りがみるくの心を揺さぶったのでしょう・・・・、
みるくは、何も言わず・・・何も恐れず・・・そのお花から出る蜜を舐めたのでした・・・。

すると・・・どうでしょう!!!

母の姿が目の前に・・・・必死に抱きつこうとした・・・みるく・・・でも、そこに母はいません・・・。

もう一度蜜を舐めると・・・母の温もりが伝わります・・・。

もう一度蜜を舐めると・・・母の声が聞こえます・・・。

もう一度蜜を舐めると・・・お花が話しかけました・・・。

「みるく・・・僕の名前は、オーラル・リンドウ・・・これから君と僕は友達だよ。」お花が、みるくに語りかけました。

「あなたは・・・オーラル・リンドウ・・・・さん!?」みるくは答えました。

「オーラルリンドウさん・・・マミーは・・・マミーを知ってるの?・・・マミーはどこに居るの?」みるくは、お花に話しかけました・・・。

「みるく、よーく・・・お聞きなさい・・・今から真実を君に話します・・・。」こう言ってオーラル・リンドウは、みるくに話しかけたのでした。

母親のジーラが、オーラル族の生き残りであったこと。

オーラル族は、子供が満16歳になる月夜の晩に母親からオーラルリンドウを、一輪手渡されること・・・。

オーラル・リンドウは持ち主である主人の天寿を見届けるまで、その主人に仕えること・・・。

オーラル・リンドウは、決して枯れない生き花であること・・・。

様々なお話を、みるくに語りました。

「オーラル・リンドウ・・・さん・・・」みるくが聞きます。

「オーラル・リンドウさん・・・私は・・・まだ14歳なのよ・・・?」オーラル・リンドウは話すのをやめて、みるくの話を静かに聞いていました。

「オーラル・リンドウさん・・・あなた達が決して枯れないなら・・・他のオーラル・リンドウさん達はどこに居るの?」

疑問をぶつける、みるくでした。

「みるく・・・悲しい知らせも・・・あるのだよ・・・最後まで私の話を聞いてはくれまいか・・・。」オーラル・リンドウが話します。

「・・・」みるくは、うなづきます。

オーラル族が、ギラン族に攻められて絶滅した過去のいきさつ・・・。

ギラン族は、7日7晩食事をしなければ天寿を迎える種族・・・。

オーラル族が本来のこうもり族であって、ギラン族が獅子身中の蟲となって分裂した、いきさつ・・・。

みるくの母親が先ほど亡くなった事実・・・。

「ワァー・・・・」みるくは、泣き出してしまいました・・・。

もう、オーラル・リンドウの声も聞こえません・・・。

「マミー・・・マミー・・・マミー・・・」

泣きつかれて、みるくは・・・いつしか眠ってしまいました・・・。

・・・目を覚ました、みるく・・・

「・・・」頭の中が真っ白で、空っぽになっていました・・・。

うつろな瞳・・・腫れ上がった瞼・・・。

何気なくふりむくと・・・そこに、みるくの目の前に・・・。

いつぞやの、おばあさん・・・オーラル・リンドウを胸に抱えて立っていました。

「・・・」みるくは、夢を見ているかのように・・・ボーっと・・・大きな、お目めを、おばあさんとオーラル・リンドウに向けるのでした。

「起きたのかい・・・みるく・・・」見覚えのある、おばあさんの、聞き覚えのある低い声・・・。

「このオーラル・リンドウが・・・おまえさんのそばに居るということは・・・ジーラは亡くなっちまったんだね・・・」

おばあさんが、オーラル・リンドウに語りかけているようでした。

「ジーラは・・・それはそれは、いい子だったんだよ・・・。」おばあさんは、そう言うと胸に抱えていたオーラル・リンドウを、みるくの枕元に、
そっと置きました・・・。

「さて、こうしちゃ居られないね・・・。」そう言うと窓から飛び立っていったのでした。

「・・・・」何も考えることが出来ないまま、みるく・・・母親の香りのするオーラル・リンドウを見つめているのでした。

涙が溢れてきます・・・。

「マミー・・・」涙が止まりません。

「みるく・・・私の蜜を・・・お舐めなさい・・・みるく・・・。」オーラル・リンドウが優しく語りかけるのでした。

「マミー・・・」みるくは、母親の匂いに誘われてオーラル・リンドウの蜜を舐めるのでした・・・。

ドックン!ドックン!!ドックン!!!

オーラル・リンドウの蜜を舐めているみるくの身体に・・・異変が・・・。

舐め続けているうちに・・・ドックン!ドックン!!ドックン!!!・・・・。

みるくに不思議な力が・・・・。

みるくは、飛び起きました!!

「オーラル・リンドウさん!!教えて!!他にも・・・他にもオーラル族の仲間の方達が居るの?・・・でしょう?」

自分でも何を伝えたいのか・・・わからないまま、みるくはオーラルリンドウに語りかけるのでした。

「今の、おばあさんも・・・オーラル族・・・なの?」みるくは、何かを思いついたかのようにオーラル・リンドウに聞くのでした。

「みるく・・・君は私の話の途中で眠ってしまったからね・・・」オーラル・リンドウが、みるくに語りかけました。

オーラル族の生き残り達が、実は他にも居ること・・・。

オーラル族の生き残り達が、ギラン族を滅ぼし元のオーラル族だけにしたいこと・・・。

オーラル族の・・・居場所・・・。

「・・・」静かに、みるくは、オーラル・リンドウの話を聞いていました・・・もう涙はでません。

そして・・・。

「私を他のオーラル族の皆様に会わせて!!お願い!!」今までにない、みるくの思いと・・・言葉・・・。

みるくの、一つ一つの言葉に勇気と力がみなぎります!

「それでは行きましょう・・・でも、その前に私の蜜を、お舐めなさい。」オーラル・リンドウは、そう言って・・・みるくに蜜をたっぷりと分け与えていくのでした。

みるくは、オーラル・リンドウが、分け与えてくれる蜜を・・母親の香りを・・・母親の思い出を口に・・・運んでいくのでした・・・。

勇気が湧いてきました!希望が!知恵が!思い出が!笑顔が!・・・蜜を舐めるたびに・・・一つ・・・また一つ!

何故だか解らない・・・熱いものが!!

込み上げてきます!!

母親ジーラの思い出でしょうか・・・?

それとも母親を殺されたギラン族への復讐でしょうか・・・?

違います・・・。

何かが違うのです!!

勇気百倍!!

もう泣き虫の、みるくではありません!!

その時でした!!

「用意はできたかい?みるく。」あのおばあさんが、再び立っていました!

「うん!!大丈夫だよ!!」みるくは、はじめて笑顔で答えました。

「おばあさんの名前を教えてください。」みるくが、おばあさんに聞き返すと・・・。

「おやおや・・・ただの泣き虫お嬢様だと思っていたのにね・・・まるでジーラみたいになっちまったよ。」ほほほ。

「あたしはね・・・ミラノっていうのさ・・・おわかり?お嬢さん。」ほほほ・・・うれしそうな、おばあさん。

笑顔で初めて会話が出来たのでした。

「さあ!!行くよ!!しっかり捕まっていなさいな・・・おっと!!オーラル・リンドウを離してはいけないよ。」

そう言って、おばあさんは、みるくをしっかり抱きかかえて大空に羽ばたいて行きました・・・。

どれほど長い時間がたったのでしょうか・・・。

どれほどの道のりを越えてきたのでしょうか・・・。

みるくは、母親の顔を思い浮かべながら、ただ、ただ、ミラノおばあさんに掴まって着いていきました。

母親の香りのする、オーラルリンドウを見つめていた、みるく。

「さあ着いたよ」ミラノおばあさんが着地と同時にみるくに言いました。

「ここは・・・」みるくが、辺りを見渡しながらつぶやきます。

みるくの目に見えるもの・・・山と湖・・・他には何も見えてきません。

「おばあさん・・・」みるくが、そういうと・・・。

「バッチン!!バチン!!」という音とともに沢山の人たちの姿が現れて来たのです。

「ミラノや、この子が・・・ジーラの娘なのかい・・?」年老いたお爺さんが、なにやらミラノおばあさんと話をしています。

「ジーラに目元なんか、そっくりだろう・・・」そういってミラノおばあさんが、みるくをみつめました。

「みるく紹介するよ、ここに集まったみんなが、ジーラの仲間さ!!」ミラノおばあさんが語ります。

「マミーの・・・お友達・・・!?」みるくが、つぶやきます。

「さて、みるく・・・ジーラの娘だというからには、これからの戦いに参加してもらうよ、心してお聞き・・・。」お爺さんが語り掛けました。

おじいさんの名前は、ピラクルだという名前であること。そしてジーラの父親と友達であったこと。

ギラン族が攻めてきたときにジーラが連れ去られたこと。

これからギラン族を滅ぼして、平和なオーラル族の世界に戻すこと。

ギラン族を滅ぼすにあたって、ギラン族の周りの動物達をオーラル族の元へ移送させる計画など・・・。

みるくに、語っていきます。

「・・・」みるくは静かに聞いていました。

ピラクル爺さんの話が終わる頃・・・。

「私、やります・・・争いのない平和なオーラル族のために・・・私・・・やります。」みるくが笑顔で答えたのでした。

時同じくして・・・一方ギラン族の方は・・・。

「オーラル族の生き残りが居るらしいわよ・・・。」

「オーラル族がギラン様を連れ去ったのを見た人が居るらしいわよ・・・。」

「オーラル族・・・?知らないなー・・・?なんだそれ??」

「大丈夫よー。ギラン様がいらっしゃる限りこの国は安泰なのよ・・・。」

様々な噂で日々過ごすギラン王国のギラン族たち・・・。

何も変わらない、何も変えようとしない、何も変わって欲しくない・・・、そんなギランのコウモリ族であった。

さて、オーラル族はというと・・・。

「みるく・・・今夜決行よ!!準備はできて・・・?」ミラノおばあさんが、みるくに語りかけていた。

「大丈夫よ、おばさま・・・。」体の震えを抑えきれずに、みるくは答えた。

「みるく・・・私の蜜を、お舐めなさい・・・。」優しく語りかけるオーラル・リンドウ。

「今宵の空は・・・明るすぎるのう・・・。」心配げに、ピラクル爺さん。

「ダメよピラクルさん弱気になっちゃ!さあ!みるく私は他の仲間達と打ち合わせに行って来るからね。
私が帰るまでに心の整理をしておきなさい。そうそう、お食事もね。」そういって、ミラノおばあさんは他の仲間達のところへ
向かいました。

「今夜いよいよ決行よ!!前もって準備していたとおり・・・あの洞窟へギラン族の動物達を誘導するのよ!!
見つかっても、ひるんじゃダメよ!!戦うのよ!!動物達のためにも私達のためにも!!これ以上ギラン族の犠牲にさせておくものですか!!」

「そうだそうだ!!俺達の未来を取り戻すんだ!!」

「おー!!」みんなの心が一つになる瞬間でした。

さあ夕暮れにさしかかる頃・・・。

決行での時間がついにきました・・・。

「みるく起きなさい!!」

「ハッ!!」飛び起きたみるく。

「さあ行くわよ!!」ミラノおばあさんが先頭にたちました。いざ行かんギラン王国へ・・・。

ギラン族の中心地に到着したオーラル族・・・。

静かに静かに動物達をオーラル族の洞窟へと誘導していきます・・・。

「だいたい終わりかしらね・・・?」

「無事に皆帰ってこれるかしら・・・。」ミラノおばあさんが不安そうに洞窟の前で仲間達が連れてくる
動物達を見ながらつぶやいています。

「ミラノ!!見つかってしまった!!ギラン族が攻めてくるぞ!!」誰かが走ってきました!!

「え!!見つかっちまったかい!?」ミラノの不安が的中しました。

「動物達はこれで最後かい?みるくを見たかい?」

「みるくが連れている動物達が最後のはずなんじゃが・・・。」

「まだ向こうに居るのかい・・・。」

「助けに行かなくっちゃ!!」

「ミラノさん・・・もう間に合わないよ!!」

「早く洞窟の扉を閉めなければ我々皆がやられるぞ!!」

「何を!!おっしゃって!!目を覚ましなさい!!オーラル族は最後まで戦うのよ!!子供達の未来のために!!」

そういってミラノおばあさんは向こうへギラン族に向かって飛び立ちました。

「そうだった!!皆手の空いたものは、みるくを助けに行くぞ!!」

またオーラルの仲間達も、ミラノのあとを追いかけました。

「みるくは?・・・みるく!・・・みるく!!」

「あ!みるく!!今行くよ!!」

みるくはギラン族に囲まれていました。動物達も囲まれています。

「よくもよくも!我々の食事に手を付けてくれたな!!」

「お前からいただくとするか・・・。」

今にもみるくが餌食にされようとしています。

「マミー・・・助けて!!・・・。」みるくは動物達を抱きかかえて叫びました!

その時でした!

「みるく!!早く動物達を連れてお行き!!」ミラノおばあさんがギラン族とみるくの間に
割って入ってきました。

他のオーラル族の仲間達もやってきました!

「みるく!!」

乱闘の最中、どちらが見方なのか・・・わかりません。

必死に動物達を誘導するみるく。

必死にみるくたちを守るオーラル族。

動物達を取り返そうとするギラン族。

みるくは、やっとのことで洞窟に到着できました。

しかし、ギラン族もすぐそこまで追ってきています!

「早く閉めて!!」みるくに他のオーラル族が言い放ちます!

「でも!でも!ミラノおば様たちが、まだ来てないの!!」みるくは躊躇しています。

[バーン!!」扉を閉めたのはピラクル爺さんでした。

「ドーン!!」扉の外で大きな音がして大きな岩が扉を塞いだのでした。

外で何が起こっているのか・・・。

みるくには解りません・・・。解っているのは、ミラノおばあさんと他の仲間達がこの洞窟へ到着できなかったことだけです。

「ミラノおばさん帰ってきて・・・お願い・・・。」みるくの目に涙が溢れてきました。

あの戦いから7日7晩が経ちました。

そして、8日目を迎える朝・・・。

「皆よく戦ってくれたの・・・。本当によく戦ってくれた・・・。」ピラクル爺さんが立ち上がって声を大にしました。

「オーラル族は、これにて、これより栄えることが出来るのじゃ、平等な争いのない、昔のように・・・。
皆で支えあって、助けあって、そして・・・今また平和が訪れたのじゃ・・・。」

「先駆者達の冥福を祈り、我々の胸に刻み、日々過ごそうではないか・・・。」

「平和への一念こそ・・・忘れることなかれ。」

「何ものにも恐れない、真の勇者となろうではないか。」

「この場所へ帰って来る事の出来なかった者の分まで幸せになろうではないか・・・それが生きているものの務めなのだ・・・。
精一杯これからの平和を守ろうではないか・・・。」

「いがみ合うことなく、争うことなく・・・じゃ。」ピラクル爺さんの目には、大きな涙が一滴こぼれている・・・。

みるくは、静かに聴いていた。

「私・・・もう泣かないよ、マミーや、ミラノおばさんの分も幸せになってみせるよ・・・。」

「ね・・・オーラル・リンドウさん・・・。」

こうして、吸血コウモリ族は永久に姿を見せなくなりました。

現在、世の中にいるコウモリ族は皆、心の優しいオーラル族だけと
なったのです。

おしまい。




著作   by   おおとみ ひさし




この作品とは関係ないのですが
偶然にもヒロインのイメージに
近い動物を見つけました
コスタリカの「シロヘラコウモリ(Honduran White Bat)」-2
コスタリカの「シロヘラコウモリ(Honduran White Bat)」
コスタリカに生息する有一の白い蝙蝠
とても小さくピンポン玉くらいらしいです
主に果物を主食とし葉の裏で身を寄せ合って生活してます
おとなしくて可愛いのはキャラ的にも類似してるのかもです
(´・ω・)σ

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Secret

キャーo(≧∇≦o)(o≧∇≦)oキャー

ちょw
何この蝙蝠ー←ぁw
めっさ可愛いんだけどー(ノ∇≦*)キャッ♪
胸ポケットにしまって持ち歩きたいwww

てか、植物の蜜を食事とする蝙蝠居るって聞いたことあるけどこんな可愛い蝙蝠だとは知らなかったー♥

読みました

なんか切ないね
傷つけあって、どちらか一方が生き残るとか
負けたほうが身を隠さなければいけないなんてね

いがみ合わずにお互いの存在を認め合い
助け合って共に生きていけたらどんなにいいことか・・・

本当の平和って何なんだろうね
考えさせられます いいお話でした

medusaさん

可愛いですよねw
下の写真で一匹だけ
こっち見てるのが居るんですが・・
(´・ω・)モキュ?
って感じでとても愛らしいw

あ 俺名前表記するの忘れてました
この子達の名はコスタリカの
「シロヘラコウモリ(Honduran White Bat)」
と言うそうです  
(´・ω・)σ

ルシュさん

弱肉強食と言ってしまえば
それだけなんでしょうけど・・
よく言われる所の
何かを得るためには何かを犠牲にしなければならないのかもしれません
切ないですね・・
そう言う人間もやはり何かの犠牲の上に
生きている事・・
感謝の念を忘れない事も大事ですよね
(´・ω・`)ノ

できることなら

みんなに読んで欲しいお話を、しぇいもひっそりと隠し持っています。
知人が書いたお話し、そのお話を最後に彼女は筆を折りました。
彼女が描く物語の世界を気に入らないと、
ネットの世界で言葉を選ばず攻撃した人がたった一人いたためです。
自分の描く世界を気に入ってくれる人がいるならと、彼女のブログで公開されていたお話たち。
友人のみの限定公開であったが故に、なお傷は深かったのだと思います。
皆違う価値観と視線を持ち、わずかな関わりを元に同じ時間空を共有しながら生きているのに。
自分の考えに同調しないというだけで、相手を傷つけるために言葉の剣を振り回す人。
切ないですね。

真っ白で小さなコウモリさん。
この掌に包み込んでみたい。

しぇいさん

普通にブログを書いてるだけで
誹謗中傷を受けた人がいると聞いたことがあります
心無い人が原因で胸を痛める人は
書いてる本人だけでなく
その記事を楽しみにしてる人
励みにしてる人にも及ぶでしょう・・
悲しい事です
しかしその人はコメントを出来ないようにはしてしまいましたが
ブログは書き続けてるようです

今回の作品は本人がmixiで載せた物を
こちらに許可を得て転載させて頂いたものです
もし誹謗中傷があっても著者までは届きません
少しでも心温まるものを
心有る人達に届ければと・・
そんな思いです
(`・ω・´)ゝ”

プロフィール

† ブリアレオス †

Author:† ブリアレオス †
ROHAN
職 業  : ガーディアン
活動鯖  : シルバ鯖
所属ギルド: 半熟卵庵

AION
職業   :ソードウィング
活動鯖  :シエル鯖
所属レギオン:UMBRELLA

AVA
主力   :ポイントマン
主戦場  :爆破 護衛
所属クラン:公安9課

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